浮子とイト・ハリ・小物 一覧

ukiko-01.jpg初期のヘラウキ

クジャクの羽根軸がヘラウキとして使われだしたのは昭和に入ってからのようで、昭和20年代までは竹ヒゴ(ゴム管挿入部)を除きオールクジャク製のものが使われていたらしい。
 
写真の左側2本が初期型のクジャクウキで、昭和20年代のものと推定。

中央のものはイトがらみを防ぐため、いわゆるブランコ付きだが、これは後になって付けられたもののようだ。はじめからブランコを取り付けたウキが普及しはじめたのは昭和30年ごろからと言われている。

右側はセルロイドの棒ウキだが、灯芯入りで昭和20年代に流行したというスミロイドウキであるかもしれない。 
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ukiko-02.jpg京都・馬井助浮子

ヘラウキを除き、一般に淡水用のウキは銘が入っていないものがほとんどであるが、馬井助浮子(ウキ)はその数少ない淡水用の銘入りウキで、この作品は二代目馬井助・菅原与一作。

道楽の1つとしてウキを作った初代・菅原寅次郎の息子の与一はいくつかの職業を経て、初代没(昭和6年)後に本職としてウキ作りを開始。個性豊かな形状と研ぎ出し仕上げなど本格的な美しい漆塗りで、関西地区だけでなく関東の釣りファンからも評判を得た。

当館展示品はいずれも桐箱入りで、伏見の里(上左から2番目)、御所の月(同3番目)、王冠(同4番目)など名称付き。

右端はヘラ浮子である。二代目馬井助は昭和49年没。

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ukiko-03.jpg淡水用・古典ウキ

研き出しを含めた、しっとりと深みのある漆塗りが施された古典タイプの淡水用ウキ。作者も制作年代も不詳だが、明治末から昭和初期ごろに作られたものではないだろうか。

一般に淡水用のウキの場合、ヘラウキや玉ウキなどを除き現在では、おおざっぱに唐辛子(とうがらし)ウキと総称することが多い。しかし、それぞれの形状ごとに名称はあり、写真の右から、先細型、鷺(さぎ)型、先細型、コマ型、バット型と古い釣り入門書には標記されている。

五本のうち最大のもので全長約12センチ。マブナ釣りなどに使われたのだろうが、ノンビリとアタリを待つ情景が見えてくる。

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ukiko-04.jpg古典・糸巻き

糸巻きや仕掛け巻きは、竹や木を使った梯子型のものから、紫檀、黒檀、籐や象牙など丸型のものまで様々なタイプのものが残されている。

さて、写真の糸巻きは銀製。糸巻きそのものもそうだが、それを入れる布張りのケースがまた凝っていて相当な釣り道楽の、しかも裕福な人が誂えたものであろう。

仕掛けには「海津フカシ中の小」「下巻」などと黒塗りの小札に朱で書かれて分類されている。海津フカシ仕掛けは糸ウキが付けられており、その動きで魚信をキャッチしたものであろう。

本品は古典淡水ウキと同じ道具箱に所蔵されていたもので、やはり明治末~昭和初期のものと思われる。

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ukiko-05.jpg釣りバリ各種

焼き入れ、研磨などの技術が確立して大量生産できるようになるまで、釣りバリは主に手打ちで作られる貴重品であった。

写真の各種釣りバリは、昭和20年代から40年代初期にかけての大量生産の製品だが、古くから釣りを楽しんでいるファンには懐かしいタイプと思われる。

名人鉤と助義の長保針は戦後になってピアノ線使用で注目されたハリ。

鬼印の釣針は釣りイトのラーヂ・ライカでも知られる大岩商店のもので、おなじみの製品。

下段左側の海老印のハリは、タナゴのオモリなどを含め「あずま式」として主に川釣りマニアに好まれた製品。

下段中央は、ご存知の「がまかつバリ」。ロゴが丸に"克"となっているので昭和42、3年の製品である。
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ukiko-06.jpgテグス各種と初期のナイロンイト

透明で弾力があり強さも上々のため本テグスは戦前まで最も優れた釣りイトといえ、特にハリス用としては、これ以上のものはなかった。

写真の亀山テグスは、大正から昭和20年代まで特に隆盛を極めた大手釣り具商の亀山テグス商会の製品で、高品質のテグスとして評判だったらしい。

久水王とあるのは戦前、釣り入門書まで発行していた大阪梅田・阪急百貨店の製品。

右端は国蚕テグス(蚕糸利用開発株式会社)で中国からの輸入が途絶えた戦時中の製品のようだ。

シルバースターは戦後、荒井商店から発売され人気を集めた輸入ナイロン釣りイトである。

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