biku-05.gif古典タイプ兼用ビク

本品の制作年代は不詳だが、おそらく大正から昭和初期と思われる。

上ブタの下には、もう1段の道具入れ用と思われる内カゴがあるが、これによく似たカゴが昭和10年4月号の雑誌「釣之研究」に、九州・松本製作所の紹介グラビアにあった。しかし、その製品には上ブタはなく普通の2段式。それでも、全体としてはそっくりといえるので、本品は同製作所の製品あるいは、九州産のカゴビクという可能性は高い。

均一に削られたヒゴでていねいに編まれており、仕上がりは上質。もちろん現在では新作を見ることは出来ないが、大切に使うとすればまだ数十年は大丈夫と思える造りとなっている。