道具入れ兼用ビク
クーラー(アイスボックス)が普及するまで、水箱ととも道具入れ兼用ビクは多くの人に使われた。特に左側の大きいタイプは、アユ釣りの人に愛用されたところから、アユカゴなどとも呼ばれていた。3段または4段カゴの場合、木製のフタのある最上段に仕掛け、中段に釣った魚、下段は弁当やその他かさばるものをいれて使った。古い釣り雑誌などではバックネットと呼ばれた網リュックに入れて背負われた写真がよく見られる。
写真の大小とも上質のもので、大きい方は横幅が約30センチのところから尺カゴと言われていたようだ。
なお、小型には銘が入っていないが、尺カゴは渓流ビクで名高い静岡の名工・籠寅の作品で銘入り。