biku-07.gif渓流用・奥多摩ビク

元来、竹で編まれたカゴビクは、それぞれの地方で製作、継承され独自の形状を持っていた。例えば、甲州ビク(山梨県)、郡上ビク(岐阜県)などその典型だが、昭和40年代以降は、安価な東南アジア製の渓流用ビクが多く出回り、国産のビクは次第に造る人も少なくなってしまった。

本品、奥多摩ビクもその1つ。東京都を流れる多摩川の上流、奥多摩地方で昭和40年ごろまで造られてきたもの。形状は、郡上ビクに似ていて、上部がややふくらみ下部の奥行きは狭くなっている。これは魚を重ねた時に、全重量が底部の魚に掛からないためのようだ。見た目は素朴ながら、案外ていねいな仕上がり。

容量により大きさがいくつかあり本品は一貫目用。