古典カイズ竿二種
かつて、江戸前の各所や導流杭などで使われたであろうカイズ竿二種。どちらも繊細な穂先は同様だが、竿形はかなり異なる。
左側は、水牛の角をヒジ当てに使った古い作品。一本ずつの切り(長さ)が揃っていないのと、口金の形状、塗りなどから推定すると明治期の竿ではないだろうか。
右側は古典というほどではなく、大正から昭和初期の作品と思われる一対のうち一本。ヒジ当てを除くと元三本の切りが揃っており、海釣り竿には珍しく三本仕舞いになる。
手元部分の化粧巻きや、すっきりした口金など洗練されたスタイルが確立しており、口巻部分の透き塗りや全体の作風から、銘は入っていないが東作系の竿ではないだろうか。