aogisu.jpg古典アオギス竿一対

現在、キスといえばシロギスのことであるが、古きよき時代の江戸前のキスというのはアオギスのことを指したようだ。

写真の一対のアオギス竿は作者不詳の二本継ぎ、全長十一尺五寸(3.45メートル)。穂先がかなり太いのと、調子が強いところから大物狙い用と思われる。

この竿の特徴としては、竿が切り組まれる時に付けられる合印が、サクラとウメの花の書き印となっていること。一般 的には刻み印や小さな焼き印だが、書き印は珍しい。日本釣具大全(笠原出版)で紹介されているカイズ竿にも同様の書き印があるので、同じ職人による竿と思われる。素材、仕上げとも上質で明治末から大正期の作品と推定される。