古典・小継ぎフナ竿
釣り関係の文献や残された古い竿を見ると、明治から昭和初期ぐらいまでのマブナ竿は、二~三尺切りの並べ釣り用と、小継ぎの細流探り釣り用に分かれていたようで、二尺切りがマブナ竿の定番となったのは、少し後のことのようだ。
写真のマブナ竿は、八寸(24センチ)切り、四本仕舞い十七本継ぎ、手元は矢竹根掘りで金属の石突き付き。穂先はヒョウタン型。胴にかかる調子だが、張りがあり使いやすそうな仕上がりとなっている。
竿袋もなかなか凝った作りで、明治末から大正期の作品と推定されるが、当時としても高価であっただろう。竿銘はなく、合印として"三"が刻まれている。黄塗りと作風から、竿治系職人の作品の可能性もある。