古典ボラ竿一対
江戸前のノリヒビの間を狙ったボラ釣りで使われた竿は、二本継ぎか三本で元の太い、きわめて強い調子の丈一(3.3メートル)か十一尺五寸(3.45メートル)というのが定番の竿形。しかし、写真の本品は四本継ぎで、全長二間(3.6メートル)であり、全体の調子としては強いが、元竿の太さも、比較的新しいボラ竿に比べ細身となっている。
木製の口栓も時代を感じさせるもので、橋の欄干の飾りに見られるギボシ型。口金は大きさが揃っているうえ、ヒジ当てを除いた切りが三尺三寸(約1メートル)で決まっているので、明治末以降、大正期にかけての作品と思われる。作者は不詳だが仕上がりはよく、塗りは黄土色。