biku-02.gifマブナ用桶ビク

かつては桶金など、伝説的な名工がいたと言われる釣り用桶ビクの世界だが、ほとんどが風呂や水くみ用の桶を作っていた職人が、本業のかたわら制作してきたものだけに、現在では新作を見ることはまれ。

本品は、昭和48年購入したものというが、特別注文以外で、一般の釣り具店に桶ビクが並んだのは、そのころが最後のことだろう。九寸幅(27センチ)、高さ七寸強、奥行き四寸七分ほどの手ごろなサイズで、少しでも軽くと5ミリほどに削り込まれた本体が、職人の心意気を感じさせてくれる。内箱はエサ、小物入れ用に3つに区切られ、本体の底には竹のスノコ付き。細い銅で編まれたタガもスッキリしており、かっこのいい仕上がりとなっている。