shoseki-04.gif釣鉤図譜

本書は、昭和53年、渓水社発行の復刻版だが、原版は明治22年、釣具商みすや針主人・中村利吉の著作と推定されている。 この中村利吉は、何羨録写本でも知られ、その他、明治28年完成の「日本水産捕採誌」の編者であり水産伝習所の漁労学教師をも務めたという。

さて本書は、日本全国の釣り鈎を同タイプごとに図で紹介してある。大型のものでは、小笠原のサメ釣り用から、クエ・イシナギ用など漁業に使われたものから、ブリやカツオ用の角(ツノ)、各種餌木からイカやタコ用のツノ、テンヤなど実に豊富。さらには遊漁用のタナゴバリや毛針まで、よくぞ調べたと感心するほどの濃い内容。