hera.jpg「源竿師」作・ヘラ竿

紀州・和歌山県はヘラ竿の穂持ち(先から二番目)の素材として欠かせない高野竹の自生地であるため、地場産業としてヘラ竿作りが現在も盛んである。

源竿師(故山田岩義)は紀州ヘラ竿の最高峰と言われた人。大阪で修業した後に帰郷し独立。当初は竿春銘を使っていたが、弟子の坂部博に銘を譲り源竿師を名乗り、数から品質重視の竿作りに転向。関西はもちろん、昭和30年ごろからヘラブナ釣りがブームとなっていた関東でも好評を得るようになった。

写真の本品は、源竿師の竿が本格的に関東で流通するようになった昭和30年代初期のもので、段巻きの四本継ぎ、全長十三尺(3.9メートル)。風格の感じられるオーソドックスな作品である。