dobu.jpg「東吉」作・ドブ竿
四代目東作の多くの高名の弟子のうち、特にアユ竿作りの第一人者として知られるのが東吉(とうきち・宇田川吉太郎)。師匠と共にアユ竿を研究、洗練させ、軽くて調子のいい東京式アユ竿を確立。その後、多くの竿師が東吉のアユ竿を手本にしたという。

さて、本品は四尺元、八本継ぎ、四間一尺(7.5メートル)のドブ竿。塗りは普通の透き塗りだが、元三番までの淡竹の節揃い、布袋竹と間違えそうな節込みの矢竹穂先など、素材へのこだわりは東吉ならでは。昭和32年没のため、推定製作年代は昭和20年代としているが、口金、石突き金具が使われていないことから、金属統制の行われた戦時中の作品かもしれない。